
お客さんの話を、AIに手伝ってもらってまとめている。
でも、そのことを、お客さん本人には言っていない。
もし思い当たるなら、きょうの話は、あなたのためのものです。責めるための話ではありません。先に用意しておくと、自分もお客さんも楽になる、という話です。
あるクリニックのお知らせが、話題になりました

東京の、あるクリニックが、ホームページに載せたお知らせが話題になりました(ITmedia AI+ 2026年9月17日)。
記事によると、お知らせの中身は、おおよそこうです。診療の質を上げることと、仕事を効率よくすることのために、院内に置いたAIを使って、診療の情報を処理している。
見つけた人がXに投稿して、その投稿は、59万回以上表示されました。
この仕組みを作ったのは、院長さん本人だそうです。使い道は、これまでの診療の記録をまとめることと、話した声を文字にして、カルテを書く手伝いをさせること。
お知らせが答えている、3つの問い

お知らせと、記事の中の院長さんの話を合わせて読むと、3つの問いに答えがそろっていました。
- 何のために: 診療の質を上げることと、仕事を効率よくすること
- どこで: 処理はすべて院内の機器の中で終わっている、と院長さんは話しています
- 嫌なら、どうするか: 自分の情報を院内のAIに入れてほしくない人は、受付に申し出てほしい、と伝えています
この3つがそろっていると、読んだ人は、自分で選べます。黙って進めることも、全部やめることも、しなくていい。
言わないままに、なりやすい理由

AIを使っていると言ったら、手を抜いていると思われそう。そう感じて、なんとなく言わずにいる人は、多いと思います。
僕も、毎晩、ズームの録画を文字にしたものを、AIに読ませています。お客さんが悩んでいたときに使っていた言葉を、ためておくためです。
だから、このお知らせは、僕にとっても他人事ではありません。
大事なのは、うまく隠すことではなく、相手が選べるようにしておくこと。3つめの問いへの答えが、そのための入り口になります。
手順1|お客さんの言葉が、AIを通る場所を書き出す

紙とペンを用意して、先週の仕事を、朝から順番にたどってみてください。
- LINEで届いた相談を貼りつけて、返事の下書きを作ってもらった
- お客さんとのズームの録音を文字にして、まとめてもらった
- アンケートの答えを貼って、よく出てくる声を並べてもらった
1つでも見つかったら、その場所が、きょうの材料です。
手順2|3つの答えを、先に書いておく

書き出した場所ごとに、3つの問いの答えを書きます。
- 何のために: たとえば、お話を聞き漏らさずに、次のセッションに活かすため
- どこで: あなたが実際に使っているAIの名前
- 嫌なら、どうするか: たとえば、嫌な方の分は、AIに入れずに、私が手で書き留めます
ひとつ、気をつけてほしいことがあります。院長さんのAIは、院内の機器の中で処理が終わる仕組みでした。もしあなたが、インターネットにつないで使うAIに貼りつけているなら、「外には出ていません」とは書けません。本当のことだけを書きます。
手順3|AIに、お知らせの下書きを頼む

いつも使っているAIに、こう打ちます。
> 私はひとりで仕事をしています。お客さまとのお話の録音を、AIを使って文字にして、まとめています。何のために使っているか、どのAIを使っているか、嫌な方は遠慮なく伝えてくださいということ、この3つを入れて、やわらかい言葉で、3行のお知らせを書いてください。
出てきた文は、そのまま使わないでください。声に出して読んで、自分がふだん言わない言葉を、自分の言い方に直します。
それから、手順2で書いた「どこで」の答えと食い違っていないかを、最後に見比べます。AIは、頼んでいない安心の言葉を、書き足してくることがあるからです。
できあがったら、予約の確認で送るメッセージの最後や、ホームページのお知らせ欄に、そっと置いておきます。
まとめ

きょうは、手順1だけで十分です。お客さんの言葉がAIを通った場所を、1つだけ見つけてみてください。
何のために、どこで、嫌ならどうするか。下書きはAIに頼めますが、「どこで」の答えだけは、自分で確かめて、本当のことを書く。
隠さずに伝えておくと、嫌だと感じたお客さんが、それを口に出しやすくなります。
僕はこう思うけど、あなたはどう思う。
動画では、手順をもう少しゆっくりお話ししています。
YouTubeで説明してます
よかったらみてください
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▼出典
ローカルLLM利用のクリニックが話題 院長自ら環境を構築 「医療機器より安い」は本当か(ITmedia AI+ 2026年9月17日)



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