
お礼だけが、いつも遅れます。
感想を書いてくれた人がいて、うれしいのに、その日のうちに返せない。3日たつと「今さら言うのも変だな」と思って、そのまま流れていく。
長いあいだ、僕は、自分を不義理な人間だと見ていました。
きょうは、遅れていた本当の理由と、僕がそこに置いた「門」の話をします。
お礼は3行で足りるのに、なぜ遅れるのか

お礼って、短いんです。3行あれば足ります。
短いのに遅れる。ここが、ずっと不思議でした。
数えてみたら、その3行の手前に、やることが4つありました。
1. 相手の文章をもう一度読み直す
2. どこに触れるか決める
3. 言葉を選ぶ
4. 打つ
仕事の連絡なら、型があります。前に出した文を開いて、名前と日付を替えれば出せます。
ところが、お礼には型がないんです。
型を作ってしまうと、心のない文になる気がするので、作りません。その結果、1件ごとに、まっさらな画面を開くところから始まることになります。
まっさらから始まるものは、忙しい日に必ず負けます。
渡したのは「まっさらをなくす側」だけ

そこで僕がやったのは、まっさらをなくすことでした。
いまは、感想を書いてくれた人がいたら、その人の文章に合わせたお礼の下書きが、僕の手元に届きます。
やり方は、1つだけ気をつければ大丈夫です。
渡すのは、相手の文章の全部ではありません。心に残ったひとこと、1つだけです。
全部渡すと、きれいな要約が返ってきます。要約は、お礼になりません。
打ち方はこれだけです。
> いただいた文の中で、いちばん心に残ったのは、この一言です。
> 「(相手の言葉をそのまま貼る)」
> この一言に返す形で、お礼を3行にしてください。宣伝めいた一言は足さないでください。
それで返ってきた文が、そのまま使えることは少ないです。それでも、まっさらではなくなっています。
この、まっさらじゃない、というだけのことが、いちばん効きました。
全部まかせたら、お礼の最後に商品の案内が付いた

で、僕は欲が出ました。下書きができるなら、貼るところまでやってもらえばいいじゃないか、と。
ことしの7月14日に、書き込むところまで機械に解禁しました。しばらくは、うまくいっていました。
そして、9月21日の夜です。
僕が人に紹介した本の感想を、書いてくれた人がいました。
機械は、ちゃんと本の話に合わせてお礼を書いています。ただ、いちばん最後に、僕の商品の案内をくっつけました。
僕は、自分で消しました。
このとき、やめようかと思いました。やっぱり全部自分で打つか、と。
でも、それも違ったんです。やめると、また3日たってから返す僕に戻るだけでした。
門を2つ置く

次の日、9月22日に、やめるのではなく、門を置くことにしました。
門は2つです。
1つめは、話が合っているかを見る門。 本文の中に、僕が決めておいた言葉が入っているか。それだけを見ます。入っていなければ、通しません。
2つめは、本当にその人のものかを見る門。 名前が合っているか。文の出だしが合っているか。僕がまだ何も書いていないか。
この2つを両方とも通ったぶんだけ、機械が書き込みます。
では、片方でも落ちたものはどうなるか。消えません。僕の手元に戻ってきます。しかも、2通に分かれて届きます。1通目がお知らせ、2通目がお礼の文だけ。
1通にまとめると、長押しでコピーしたときに、前置きまで一緒に付いてくるからです。こういう、どうでもよさそうなところで、人の手は止まるんですよ。
止まったことが、いいことなんです

門を置いてから、実際に止まったものもあります。
ある人が、僕が登壇することを応援する投稿を書いてくれました。うれしい投稿です。でも、感想ではありません。
門が止めました。機械は何も書き込まず、僕へのお知らせも出していません。
止まったことが、いいことなんです。
きょう、あなたの手でできること

ここから、あなたの手でできることを2つ。
1つめ。門を、1行だけ決めてください。 どこに書いても構いません。手帳の端でも、スマホの中でも。「この話のときだけ、下書きを使う」と。
門が1行あると、渡せる範囲が決まります。範囲が決まると、渡すのが怖くなくなるんですよ。
2つめ。送る直前に、1か所だけ、自分の言葉に替える。 どこを替えるか。相手のひとことに触れた、その1文です。
僕はそこに、決めごとをもう1つ足しています。お礼の文の中に、相手の名前を入れない。9月19日に、そう決めました。
名前を入れると、ていねいに見えます。でも、名前だけ入れ替えた同じ文に見える日があるんです。
まとめ

お礼が後ろへずれていた原因は、心がけではなかったんです。
毎回まっさらから始めていて、まっさらは、忙しい日に負けるからでした。
だから、まっさらをなくす側だけを渡しました。そのまま全部まかせたら、本の感想に、商品の案内が付きました。
そこで僕は、やめるのではなく、門を2つ置きました。両方を通ったぶんは向こうが書き、落ちたぶんは僕の手元に戻ってくる。
渡すか渡さないか、ではなかったんです。
どれだけ短くなったかは、計っていません。計っていないので、数字は言えません。それでも、お礼が僕の記憶だけに乗っている状態は、終わりました。
僕はこう思うけど、あなたはどう思う。
いま、あなたが誰よりも長く後回しにしているお礼は、誰への分でしょうか。
動画では、門の置き方をもう少しゆっくり話しています。
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