
いくらですか、と聞かれて、思っていた金額より安く言ってしまったこと、ありませんか。
そして、そのあと自分にこう説明する。あの人のためだから、って。
きょう見ていくのは、そこです。安くすること自体は、悪くありません。ただ、下げる場所を間違えていることがあります。
下げたのは、優しさではなかったかもしれません

金額を伝えたあと、相手が黙る時間がありますよね。あれ、長く感じます。
耐えられなくて、こちらから先に言ってしまう。じゃあ、これくらいで、と。
たちが悪いのは、下げた瞬間、いいことをした気分になることです。あの人のためだった、と自分で思えてしまうので、あとから見直しにくい。
でも、思い出してみてほしいんです。そのとき、こわかったのは何でしたか。相手の暮らしのことでしたか。
断られることのほうだった、ということがあります。僕にもあります。
責めたい話ではありません。ただ、名前を間違えていると、次も同じことをします。優しさ、という名前をつけている間は、下げつづけることになるんですね。
「これ、お金払っていい?」と言われた日

僕の近所に、不動産管理をやっている会社の社長さんがいます。ときどき、相談に乗っていました。お金はもらっていません。近所だし、ついでだし、と思っていたので。
ある日、その社長さんが、僕に言ったんです。
これ、お金払っていい?
びっくりしました。逆でしょう、と思ったので。なんで、と聞いたら、こう返ってきました。
金額にもよるんだけど、お金払う方が、気軽に相談しやすいからさ。
これ、しばらく忘れられませんでした。
タダにしていたのは、こちらの好意です。でも相手からすると、タダは、頼みにくかったんです。
こんなことで呼んでいいのかな。この前も聞いたしな。そうやって、遠慮だけが増えていく。お金を払うと、その遠慮が消える。だから、払わせてほしい、と。
相手を止めていたのは、値段では、なかったんです。止めていたのは、頼んでいい理由が、どこにも書いていなかったこと。
僕はこれを、段差と呼んでいます。値段は、値札に書いてあります。段差は、どこにも書いてありません。だから、下げる場所を間違えるんですね。
下げるのは、値段じゃないほう

きょうからできる手順が3つあります。
1つ目。次に、安くしますよ、と言いたくなったら、いったん飲み込んでください。そのかわりに、こう言います。
値段はこのままで、これは、こちらでやっておきますね。
ここに入るのは、相手が面倒がっていた作業です。写真を選ぶ。日程を書き出す。前の資料をまとめる。何でも大丈夫です。
値段を1割下げても、相手の腰は上がりません。やることが1つ減ると、上がります。
引き取ったぶんは、AIに回します

2つ目。引き取ったぶんを、自分で抱えないでください。ここで、AIに回します。
むずかしくありません。引き取った作業の中身を、そのまま、声で話してください。打つのが苦手でも大丈夫です。そのあとに、こうつけ加えます。
いまの話のとおりに、下書きまで作ってください。
下書きまで、と言うのがコツです。ここを言わないと、やり方の説明だけが返ってきて、結局、自分で作ることになります。
3つ目。1回やってみて、相手の腰が上がったなら、それは値引きより効いた、ということです。その1つは、次から、最初から自分の仕事に入れておいてください。そのときだけの好意にしておくと、毎回また、値段のほうを下げたくなります。
きょうの一歩

安くしても、相手は近づいてきません。近づいてくるのは、やることが1つ減ったときです。
値段は、あなたが決めていいものです。段差のほうは、こちらが削れます。
きょうは、安く言ってしまったときの一言を、そのまま書き出してみてください。文にしてみると、なぜ下げたのかが、自分でも見えてきます。
動画では、手順のところをもう少しゆっくり話しています。
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