
AIで作った絵を、投稿に載せる直前。
これ、大丈夫かなと、一瞬だけ思って、そのまま出したこと、ありませんか。
2026年9月1日のITmedia NEWSに、生成AIで作った画像がなぜ嫌がられるのかを、危機管理広報のプロが分解した記事が出ていました(著者:吉川大貴さん、答えているのはアステリアの執行役員・長沼史宏さん)。
読んでいて、途中で手が止まりました。嫌われている理由が、絵の出来ではなかったからです。
これから書くのは、記事の要約ではありません。読みながら、自分の投稿を思い浮かべて、うっとなったところだけです。
いま、何が燃えているのか

記事には、実際に燃えた例が3つ出てきます。
1つめ。味の素の公式Xアカウントに、生成AIで加工された画像が投稿されて、炎上しました。2つめ。飲食店のメニューに載っていたサンプル画像が生成AI製で、物議を醸しました。3つめ。公正取引委員会が、アニメの制作現場の取引適正化を呼びかけるポスターを出し、それが生成AIを使っていたために炎上しています。
3つに共通しているのは、絵そのものよりも、その絵を出した場面のほうでした。
そして記事には、その反対側の例も出ています。2026年6月、農林水産省が作った「いかにも手作りな広報画像」が、SNSで反響を呼びました。
きれいに整ったものが燃えて、手作りのものが喜ばれた。順番が、逆に見えますよね。
燃えた本当の理由

長沼さんの見立ては、こうです。ここは記事の言葉のまま引きます。
> 「『発信する側が良いと思っているもの』と『受け手が評価するもの』の間に、大きなギャップが生まれている」
僕の言葉に直すと、作る側は、きれいにしたい、完成度を上げたいと思っている。でも受け取る側は、きれいで完成度が高いものを、いつも求めているわけではない、ということです。
ただ、ここで終わると「じゃあ、きれいに作らないほうがいいのか」という話になってしまいます。そうではありませんでした。
僕がいちばん読み返したのは、公正取引委員会のポスターについての、この一言です。ここも記事の言葉のままです。
> 「クリエイターを支援するというメッセージと、AIを使うという行為に矛盾があると受け止められた」
矛盾。
作り手を大事にしよう、と呼びかけているポスターを、AIで作った。言っていることと、作り方が、ケンカしていた。
燃えたのは、絵ではなかったんです。
ひとりで発信している人の机に置き直すと

これ、そのまま乗ります。
たとえば、手仕事のあたたかさを届けたい、と書いている人が、商品のイメージ写真をAIで作る。たとえば、ひとりずつ丁寧に向き合います、と書いている人が、お客さまの声に添える似顔絵をAIで作る。
どちらも、嘘をついているわけではありません。悪いことをしているわけでも、もちろんありません。
でも、読む人の目には、言っていることと、作り方が、少しずれて見えます。
顔を出していない発信では、見てもらえるものが、出した投稿しかありません。だから読む人は、書いてあることと、出ている絵を、いっぺんに読みます。ばらばらだと、そこが目につきます。
出す前にやる、2行のメモ

やり方は、そのまま書きます。
投稿の下書きを開いて、いちばん上に2行だけ書き足します。
まず、この投稿で言いたいことを1行。つぎに、この絵をどうやって作ったかを1行。
たとえば、こうなります。
- 手仕事のあたたかさを届けたい
- 商品の写真は、AIに作ってもらった
書いたら、その2行のあいだに、「なのに」を入れてつないでみます。
手仕事のあたたかさを届けたい。なのに、商品の写真は、AIに作ってもらった。
「なのに」でつながってしまったら、その1枚は使わない。それだけです。
うまく説明できなくてもかまいません。「なのに」がすんなりはまるかどうか、それだけで足ります。2行を書き足すのに、1分もかかりません。
先まわりの手が、もう1つ

AIを使う場所を、自分であらかじめ決めておく、というやり方です。
たとえば「商品そのものの写真はAIで作らない。説明の図はAIで作る」と、1行だけメモに残しておく。
なぜ、先に決めるのか。記事によると、生成AIは指示を出すだけで完成品に近いものが出てくるので、なぜこの構図なのか、なぜこの人物なのかを、作った本人が説明できなくなりやすいそうです。
出てきてから考えると、もう気に入ってしまっているんですよね。だから、出てくる前に決めておく。
最後に、もう1つだけ

投稿ボタンを押す前に、絵を大きくして、文字のところだけ見てください。
ここは記事に書いてあることではなく、僕が使っていて毎回ひっかかるところです。AIは、日本語の文字を、けっこう崩します。看板の字が1つちがう、商品名の点が抜けている。これが残ったまま出ていくと、いちばん見られたくないところが見られます。
記事のほうに戻ります。長沼さんの言葉です。
> 「省力化するのは生成であって、思考や確認ではない」
作るところは、AIがぐっと短くしてくれる。でも、これでいいかなと考えるところと、目で確かめるところは、短くなりません。
ここまで一緒に短くしてしまったときに、言っていることと作り方が、ばらばらのまま外へ出ていきます。
まとめ

読む人は、絵とことばを、いっぺんに読んでいます。その2つがそろっているか。見ているのは、そこです。
だから、上手に作れたかどうかで止まらなくて大丈夫です。きれいさで勝負しなくていい、ということでもあります。
言いたいことを1行、作り方を1行。あいだに「なのに」を置いてみる。それで、たいてい分かります。
すんなりつながってしまった1枚を、きょうは使わずにおく。それは、AIを遠ざける話ではありません。自分が大事にしていることと、手元のやり方を、そろえておく。ただ、それだけのことです。
僕はこう思うけど、あなたはどう思う。
動画では、記事の3つの例と、2行のメモの書き方を、順番に話しています。
YouTubeで説明してます
よかったらみてください
↓
こういう「出す前の引っかかり」を持ち寄っている場所として、おうちAI研究所というオープンチャットをやっています。
気になったら、のぞいてみてください
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出典:ITmedia NEWS 2026年9月1日「生成AI画像はなぜ“キショい”のか 消費者が抱く違和感の正体 広報のプロが解説」(著者:吉川大貴/全2ページ) https://www.itmedia.co.jp/news/article/2609/01/2000000743/
※事例・発言・記事が挙げる注意点はすべて上の記事の本文によります。引用符で囲んだ部分は記事の言葉のまま、それ以外は僕の言い換えです。記事は企業の広報・マーケティングに向けた話で、ひとりで発信している人の机の上への置き換えは、記事の主張ではなく僕なりの応用です。


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