AIを開いてはみたけれど、打ちこむ言葉が思いつかないまま閉じてしまう。
浮かんでくるのは、仕事のことばかりです。案内文を書き直さなきゃ。料金の説明をなんとかしなきゃ。それを打とうとした瞬間に、手が止まる。
そこで止まっているなら、今日の話が役に立つかもしれません。

AIを作った会社が、教えに行きました
2026年9月16日、OpenAIが「Older Adults AI Skills Jam」という取り組みを始めました。組んだ相手は OATS from AARP。旗艦プログラムが Senior Planet という団体です。
開かれるのは全米10コミュニティ、集まるのは合わせて1000人。参加は無料です。
画面越しの教材ではありません。同じ部屋で一緒に手を動かす、対面のワークショップです。訓練を受けたファシリテーターとメンターが横につき、続けて学ぶための資料まで持ち帰れます。
集まったのは、若い人たちではありません。年齢が上の世代に向けて開かれた会です。

教えた題材が、仕事ではありませんでした
僕がおもしろいと思ったのは、そこで最初に並んでいた題材のほうです。
- 旅行の計画
- 意味の取りにくい手紙や請求書
- あやしい話に気づくこと
- 新しく始めたい趣味
- 家族や大切な人とのやりとり
仕事を早く終わらせる方法は、先頭にありません。
イベントの案内文には、こう書かれていました。「move from curiosity to practical use」。「気になる」という状態から、「実際に使える」という状態へ移る、と。
ふだん僕らは、反対の側から入ろうとしていないでしょうか。役に立つことから始めなきゃ、と思って、いちばん大事な仕事の文章をAIに打ちこもうとする。そして、いちばん緊張する場面で、初めての道具を握ることになります。

仕事のことだと手が止まるのは、正解があると思っているから
好きなことをAIに聞くとき、迷いは出ません。おいしいものの話でも、育てている植物の話でも、思いついた順に打てます。
仕事のことは、ちがいます。こんな聞き方でいいのかな。もっとちゃんとした言い方があるんじゃないかな。その手前で考えてしまう。
仕事のことには、正解がある気がしているんです。だから、正解を打たなきゃと思って、手が止まる。
旅行の計画には、正解がありません。だから気楽に打てる。同じ画面、同じ相手なのに、打てるか打てないかが変わります。
止まっているのは、AIの難しさではなくて、題材の選び方のほうでした。

そのまま打てる言葉を、3つ
1つめ。気になることを渡す
「11月に、2泊で温泉に行きたいです。車は使いません。ゆっくりしたいので、移動は少なめがいいです。候補を3つ、それぞれの良いところと、困りそうなところを一緒に教えてください」
温泉でなくてもかまいません。行きたい場所、食べたいもの、読みたい本。何でもいいです。
大事なのは、最後の「困りそうなところも一緒に」という一言です。これがあると、AIはいいことだけを並べなくなります。
2つめ。意味の取りにくい文章を渡す
家に届いた案内や、契約の紙。読みはじめて、3行目でいやになるやつです。
スマホで写真を撮って、AIの入力欄のとなりにあるカメラのボタンから渡せます。そのうえで、こう打ちます。
「この文章を、小学生に説明するつもりで、やさしく言い直してください。そのうえで、私がやらなければいけないことと、その期限だけ、箇条書きで出してください」
やることと期限だけを出してもらう。全部を理解しなくていいと決めてしまうと、読むのが軽くなります。
3つめ。打ち方だけを、仕事に持っていく
ここが本題です。旅行のときにやったことを思い出してください。条件を並べて、候補を3つ出させて、困りそうなところも一緒に聞きました。
題材を仕事に替えるだけです。
「私の仕事は、手作りのアクセサリーを教えることです。来月、体験レッスンの案内文を出します。読む人は、教室に通ったことのない人です。案内文の案を3つ、それぞれの良いところと、伝わりにくそうなところも一緒に教えてください」
打ち方は、旅行のときと同じでしょう。条件、候補を3つ、困りそうなところ。

顔を出さないで発信している人ほど、効きます
文章が、ほとんど自分の代わりに前に出ていくからです。
その文章を、緊張しながら初めて打つのか、気楽な題材で20回打ったあとに打つのか。出てくるものは、ずいぶん変わります。
打ち直した回数が、そのまま慣れになります。気になることには正解がないので、何回でも打ち直せます。

きょうの一歩
仕事と関係のないことを、AIに1つ聞いてみてください。
旅行でも、植物でも、気になっているニュースでもいいです。答えが返ってきたら、続けて「困りそうなところも教えて」と打つ。そこまでで終わりです。
AIは、仕事の道具として覚えなくていい。気になることで手を動かして、そこで身についた打ち方を、そのまま仕事に持っていけばいいと思っています。
僕はこう思うけど、あなたはどう思う。
動画では、打つ言葉を声に出して読んでいます。
よかったらみてください
↓
仕事と関係のない使い方の話も、ラインのおうちAI研究所でしています。気になったら、のぞいてみてください。



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