毎朝おなじ表を開いて、おなじところに、きのうの数字を手で書き写す。書き終わっても、まだ何も始まっていない。
1回は3分くらいです。短いのに毎日来るから、いつまでも手元に残ります。
この作業、僕も長いあいだやっていました。朝いちばんの、いちばん元気な時間を、写すだけに使っていたんです。

減らない理由は「1回が短いから」だけではなかった
大きい困りごとは、終わればいなくなります。でも、短いのに毎日来るものはいなくなりません。いちばん長く手元に残るのは、いちばん小さいやつです。
これが表向きの理由。でも、僕の場合はもうひとつありました。
毎朝書き写していた表には、機械には出せない場所が混ざっていたんです。
- ひとつは、まだ確かじゃない数字を、自分の目で確かめて書く場所
- もうひとつは、その日に気づいたことを、ひとこと書いておく場所
数字を写すのは、たしかに作業です。でも、その2つは作業じゃありません。僕が決めるところです。

怖かったのは「面倒」ではなく、全部まかせた次の朝
止まっていたのは、面倒だからではありませんでした。
表はきれいに整っている。でも、僕が決める場所がどこにもない。ぜんぶ、機械が出した数字で埋まっている。
そこまで行くと、人はもう二度とまかせません。「やっぱり自分でやったほうが早い」と言うようになります。
早いかどうかの話ではないんですよね。取られたくないものがあるだけです。

先にやったのは、作業を手放すことではなかった
僕が先にやったのは、表の中を2種類に分けることでした。
機械が書き入れる場所と、自分だけが書く場所。そのうえで、この2つは自分のぶんだと、仕掛けの中に書いておきました。
実物でいうと、機械が入れる場所は12個あります。僕が名前をつけたのは、13個目と14個目です。
その2つが無事なのは、僕が毎朝お願いしているからではありません。機械が書き込む範囲が、はじめから12個ぶんで止まっているからです。13個目から先には、手が伸びないんです。

お願いで守る形は、毎朝こっちががんばる形
「ここは触らないで」とお願いし続ける形だと、毎朝こちらががんばることになります。
届く範囲が短ければ、がんばる場所がそもそもありません。
言葉で守っていたのではなく、物差しが短かっただけでした。
今朝も7時半に動いて、7秒で終わっていました。表には、きのうのぶんが1行だけ増えていました。機械が入れたのは、左の12個ぶんです。僕の2個には、機械の手が入っていません。無事かどうかを見にいく必要が、そもそもないんです。
効果の数字は持っていません。前と後ろで時間を測っていないからです。言えるのは、朝いちばんにやることが、数字を写す作業から、出てきた1行を読む作業に変わったということだけです。

あなたの机でどうするか(3つ)
1つめ:自分の考えが入っている場所に、名前を足す
いま使っている表を、1枚だけ開いてください。そして、自分の考えが入っている場所をさがします。
多いのは、金額のとなりの空いたところ、それと、いちばん右のひとこと書く場所です。
見つけたら、その場所の見出しに、自分の名前を足します。「メモ」ではなく「ごとんのメモ」。それだけで、あとから見ても誰の持ち場か分かります。
2つめ:名前をつけた欄を、端にひとかたまりで寄せる
散らさずに、ひとかたまりにします。
機械が書き込むのは、左から数えて決まった数ぶんだけでした。だから、その先に置いてあるものは、はじめから届きません。1行の真ん中にぽつぽつ混ざっていると、同じ手は使えません。
3つめ:書く日が来るまで、その欄を残しておく
名前をつけた欄は、しばらく何も書かない日が続きます。
そこで「結局書かないなら、要らないか」と思って消してしまうと、元に戻ります。
書いていない欄は、失敗ではありません。席です。席が残っているから、書きたいことができた日に、その場で書けます。
人は、席がないと書きません。席を先に作っておく。そこまでやって、やっと手放せます。

発信でも、おなじことが起きています
AIに下書きを出してもらうと、いちばん自分らしいところだけが、ならされて、消えます。
だったら、書き出す前に「ここは私が書くところ」をひとつ選んでおけばいいんです。冒頭の1行だけは自分、とか。お客さんの話が入るところだけは自分、とか。
顔を出さずに発信していると、文字と声しか残りません。その中で、自分の場所をひとつ確保しておくのは、わりと大事なことだと思います。

まとめ:まかせるかどうかの前に、持ち場の名前を書く
まかせるかどうかを決める前に、やることがあります。
その表の中で、どこが自分の持ち場なのかを、名前で書いておくことです。
名前が入っている場所がひとつでもあれば、あとは手を離せます。どこにも入っていないと、全部こちらに戻ってきます。
今日の一歩は、いま使っている表を1枚開いて、自分の考えが入っている場所の見出しに、自分の名前を足すこと。1か所だけでいいです。

動画で話しています
この話は、動画でもう少しゆっくり説明しています。
よかったらみてください
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▼チャプター
0:00 毎朝、おなじ数字を手で書き写す
0:28 減らない理由は、1回が短いから
0:51 いちばん小さい作業が、いちばん長く残る
1:07 表には、機械に出せない場所が混ざっていた
1:27 怖かったのは面倒ではなく、次の朝
1:41 一度やられると、もう二度とまかせない
1:58 先にやったのは、表の中を2種類に分けること
2:15 機械が書き込むのは12個ぶん。13個目から先には届かない
2:41 今朝7時半、7秒で1行増えた
3:13 1つめ:自分の考えが入っている場所に名前を足す
3:35 2つめ:自分の欄を、端にひとかたまりで寄せる
3:59 3つめ:書いていない欄は、失敗ではなく席
4:26 発信でも、自分らしいところだけが消える
4:55 結論:先に書くのは、自分の持ち場の名前
5:19 まとめ
僕はこう思うけど、あなたはどう思う。あなたの仕事の中で、絶対に人に書き換えられたくない1か所は、どこでしょう。
おなじような話をしている人たちが、オープンチャット「おうちAI研究所」に集まっています。気になったら、のぞいてみてください。
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