AIの画面を開いて、まっ白な入力欄の前で指が止まった。何を打てばいいか分からないまま、そのまま閉じた。
その日の話を、僕は何回も聞いてきました。
聞いていると、だいたい同じところが重なります。
開いたその1回目に、仕事を持ってきているんです。

「仕事で使う」とは、出てきたものに点を付けること
仕事で使う、というのは、出てきたものにまるかばつを付けるということです。
ご案内の文を書かせる。出てくる。読む。これは使える、これは使えない。
付けているつもりがなくても、付いています。

気になりはじめるのは、AIの点ではなく自分の点
そこで気になりはじめるのは、AIの点ではありません。自分の点なんです。
打ち方が下手だったのかな。私には難しいのかな。
1回目の席が、試験の席だったんです。試験の席に座ったから、鉛筆が止まった。話は、そこまでです。
だから1回目は、別の席に座ります。

外しても何も起きない道具で、5分だけ遊ぶ
その席の作り方を、ひとつだけ書いておきます。
指で線をなぞると、そのなぞった形が音に変わるページがあります。パソコンでもスマホでも、ブラウザで開くだけ。お金はかかりません。
やることは、指を1回すべらせるだけです。山のかたちに上げれば音も上がり、谷のかたちに下げれば下がります。
へたな形になっても、耳にさわる音は出ません。鳴る音が、あらかじめ決められているからです。
5分なぞって、終わり。保存もしません。何も残りません。
触っても何も起きなかった、というその1回だけが、体に入っていきます。

AIで同じことをやる、打ち方3つ
同じことは、AIでもできます。
- しりとりをしよう、と打つ
- カレーの話を5分して、と打つ(好きな食べものなら何でもいいです)
- ゆうべ食べたものを言うので、相づちだけ打って、と打つ
この3つに共通しているのは、どれにも、まるもばつも付かないことです。
うまいしりとりも、下手なしりとりも、ありません。
5分やって、閉じていいです。何も作らなくていいです。
その次の日に、ご案内の文を頼んでみてください。同じ画面が、少し違って見えます。

売り場で、聞き方をやめた話
前に勤めていたのは、家具の会社でした。
売り場には、パートで働く女性がたくさんいて、みなさん何かしらの腕を持っています。
でも、こちらから「これできる?」と聞くと、まず手が挙がりません。
できますと言った瞬間に、仕事が増えるからです。時給は、変わらないのに。
だから僕は、その聞き方をやめました。やめて、ただの雑談をしていました。
すると、その人の腕が、雑談の中でポロっと出てくるんです。それをベコっと拾うのが、僕の仕事でした。
同じ人です。腕も、同じです。
ちがうのは、点が付く場所にいたか、付かない場所にいたか。それだけでした。
AIの前に座ったときも、同じだと思うんです。
ちゃんと使えますかと聞かれている間は、手が挙がりません。

きょうの一歩
5分だけ、役に立たないことをしてください。
指で線をなぞって音にするのでも、しりとりでも、どちらでもいいです。
うまくやろうとしないでください。保存もしなくていいです。
終わったら1行だけ、どこかに書き残してください。今日は、何の役にも立たないことをした。そう書いてもらえれば、それで足ります。
道具は、こわくありません。こわいのは、1回目から点が付くことです。
点の付かないことを先に一度はさむ。それだけで、2回目の席が変わります。

動画で、もう少しゆっくり話しています
YouTubeで説明してます
よかったらみてください
↓
0:00 AIを開いて、何も打てずに閉じた日
0:22 きょう持って帰る3つ
0:40 1つめ:仕事で使う、はどういうことか
1:04 1回目の席が、試験の席だった
1:15 2つめ:指でなぞると音になる、外れない道具
1:43 気持ちのいい音だけが鳴るようにしてある
2:01 何も起きないことが、この5分の値打ち
2:11 同じことをAIでやる、3つのやり方
2:27 まるも、ばつも付かない
2:45 3つめ:売り場で、聞き方を変えた話
3:07 聞くのをやめたら、ポロっと出てきた
3:21 ちがったのは、点が付く場所にいたかどうか
3:36 きょうの一歩:5分だけ、役に立たないことをする
3:56 まとめ
僕はこう思うけど、あなたはどう思う。
あなたが最後にAIを閉じたのは、何を頼もうとしたときだったでしょうか。


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