
AIに「これで困っています」と相談すると、たいてい返ってくるのは「このアプリを入れましょう」です。
言われたとおりに入れます。真面目な人ほど、ちゃんと入れます。そうやって、パソコンの中に開いていないものが1つ増えて、おぼえる番号と合言葉も1つ増えて、たいてい使わなくなる。
きょうは、増やす前に足す「1行」の話です。
AIが新しいものばかり勧めてくるのは、意地悪だからではありません

AIで仕組みを作っている知り合いから、聞いた話があります。
AIに文章を作らせたら、祝日のあつかいがいくつかまちがっていたそうです。そこを伝えたら、AIから直し方が2つ返ってきました。
ひとつは「祝日を調べる仕組みを、新しく1個足します」。もうひとつは「祝日を見分ける仕組みを、3段構えで作ります」。
……お気づきでしょうか。どちらも、作る話なんです。
でも、正解はそのどちらでもありませんでした。そのスマホには、祝日の入ったカレンダーが最初から入っていた。それを見にいけば、それで終わりでした。

笑い話に聞こえるかもしれません。でもこれは、僕らの手元でも毎週やっています。
わけは単純です。AIは、あなたの家に何があるかを知りません。 意地悪でもないし、売りつけたいわけでもない。知らないものは、使いようがない。だから毎回、まっさらな更地に新しく建てようとします。
AIは頼りない、という話にはしないでくださいね。知らないだけなので、教えれば済みます。
お願いの最後に、1行だけ足す

では、どう教えるか。お願いの最後に、こう足します。
> うちにあるもので、できませんか。
これだけです。ほかは、いつもどおりで大丈夫です。
もう少していねいにやるなら、その前に3行だけ書き足します。いま持っているものを、3つ。
- ラインの公式アカウントは持っています
- エクセルは、まあ、使えます
- 写真は、スマホの中に入っています
立派なものを書かなくていいです。むしろ、地味なものほど効きます。

この3行を先に貼ってから頼むと、返ってくるものがごろっと変わります。「新しく入れましょう」が減って、いま持っているものの組み合わせに変わるんです。
たとえば、お客さんへの案内を作りたいとき。3行がないと、新しい配信の仕組みを勧められます。3行があると、いま持っているラインと、前に作ったチラシの文をつなぐ話になります。
同じAIで、お願いも同じ。先に渡した3行が、あるかないかだけの差です。
それでも「新しく要ります」と言われたら

そこで、もう一度だけ聞いてください。
> これ、いま持っているもので代わりにできませんか。
ここで、けっこう引き下がります。AIは、押し切ってはこないので。
それでも「やっぱり要ります」と返ってきたら、そのときは増やしていいです。増やすのが悪いのではありません。増やすのが先に来ていたのが、遠回りだっただけです。
家具屋の売り場で、ずっと言われていたこと

僕は27年、家具屋の売り場にいました。売り場でずっと言われていたのは「人は、ずっと同じに見えるところには行きたくない」ということです。
だから、新しい棚を足さなくても、いまある棚の中身を入れ替えるだけで、お客さんの足は変わります。買い足す前に、動かせるものが、まだ残っているということです。
おうちの仕事も、同じだと思っています。新しいアプリを覚える前に、去年書いた文章が、まだ手元に残っています。一度も使っていない写真も、たぶんスマホの中にあります。それを先に見せてあげると、AIは、そこから作ってくれます。
きょうの一歩

足りないのは、新しい道具ではありません。いま持っているものを、まだ出していないだけです。
1. 紙を1枚だけ出す(裏紙でいいです)
2. いま使えるもの・持っているものを、3つだけ書く(スマホ、ライン、去年のチラシ。それで十分です)
3. 次にAIへ頼むとき、その3行を、お願いのいちばん先に貼る
きょうは、貼るところまでで大丈夫です。
動画では、この流れを5分半で話しています。
YouTubeで説明してます
よかったらみてください
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