「AIに仕事を取られる」の中身を開けたら、取っていったのはお客さんでした

AI活用

「AIに仕事を取られる」。

その言葉を、なんとなく信じたまま、少し身構えている。そんな方は多いと思います。僕もそうでした。

2026年9月7日に、デザインの会社の倒産についての記事が出ました。数字がはっきりしていて、内訳まで書いてあります。読んでいくうちに、こわがる相手を間違えていたな、と思ったんです。

倒産が166.6%増。でも、大きな会社の話ではありませんでした

東京商工リサーチの調査によると、2026年1〜6月に発生したデザイン業(グラフィックデザインやインテリアデザインなど)の倒産は40件。前年同期比166.6%増で、14年ぶりの高い水準でした。このペースだと、年間で過去最多になる可能性があるとも書かれています。

ここまでだと、業界のニュースに見えますよね。

止まったのは、内訳のところでした。

負債額別では「1億円以上」が2件(前年同期と同数)、「5000万円以上1億円未満」が8件(同300.0%増)、「1000万円以上5000万円未満」が30件(同130.7%増)。合わせて40件で、小・零細規模が大多数です。

従業員数別では、「5人未満」が36件。構成比90.0%でした。

10のうち9が、5人いない会社です。ひとり、または、ほんの数人でやっている人の話だったんです。

倒産の理由は3つ。AIが効いているのは1つだけ

東京商工リサーチは、倒産の原因を3つのパターンに分けています。

1つ目は、顧客がデザインを内製化したことによる受注不振です。「内製化」は、中で作る、と書きます。生成AIの普及でデザイン関連業務の低コスト化が可能になり、顧客の内製化が進むほど、苦境に直面するデザイン会社が多いとされています。

2つ目は、雑誌など紙媒体向けのデザイン業務を主力としてきた企業が、顧客のデジタルシフトによって受注不振に陥るケース。コロナ禍を経て、SNS向けなどを中心にネット広告の需要が広がった影響です。

3つ目は、ハウスメーカー(木造建築工事)の倒産が急増し、そのあおりで内装デザインを中心に手掛ける企業が連鎖的に厳しくなっていることです。

3つのうち、AIが直接効いているのは1つ目だけなんですよね。

2つ目は紙からネットへの移り変わり、3つ目は家を建てる業界の話です。

やったのは、AIではありませんでした

もうひとつ、その1つ目もよく読むと、AIが何かをしたわけではありません。

やったのは、お客さんです。

お客さんが、自分でやれるようになった。それだけなんです。

僕らは、AIをこわがっていました。でも、注文が減った側から見ると、こわい相手は機械ではないんですよね。いつも仕事をくれていた、あの人が、自分でやれるようになった。相手は、顔の見える人でした。

暗い話に聞こえるかもしれません。でも僕は、逆だと思っています。

機械が相手だと、どうしようもない。勝てる気がしません。

でも、相手がお客さんなら、聞けます。会えます。見にいけます。

見にいく先は、その人が自分でやってみた「そのあと」

自分でやってみたら、たいてい、どこかで止まります。

その止まったところが、これからも頼まれる理由になります。

記事の最後に、東京商工リサーチのコメントが載っていました。似た会社が並んだときに、値段の安さだけで比べられる側になると厳しい。一方で、AIで作ったものは、権利面を含めて、生成された後の確認が欠かせない。そこをフォローできるデザイン業者の存在感は増しそうだ、と。

これはデザイン業についての見立てですから、そのまま自分の商売に当てはめるつもりはありません。

ただ、僕なりに読み替えると、こうなります。作る手前は、お客さんが自分でやれるようになった。でも、作ったあとは、まだ空いている。そこが、僕らの居場所になるかもしれない、ということです。

きょう、家でできること3つ

動画では、これを家でできる形にして3つ渡しています。

1つ目。自分の商品を、お客さんのつもりでAIに1回頼んでみる。たとえば教室をやっているなら、「小学生向けの英語教室の、体験レッスンの案内文を作って。」と打ちます。そして、返ってきたものをじっと見る。どこまでそれらしく出来ていて、どこで足りなくなったか。

2つ目。止まったところを、1つだけ書き出す。紙でもスマホのメモでもいいです。1行だけ。「文章はきれいなんだけど、うちの子たちの様子が入っていない」でも、「料金は書けても、うちが安く見えない書き方になっている」でもいいです。

3つ目。その1行を、次の告知に、そのまま1文だけ入れる。「うちの案内は、その子の様子を見てから書いています。」これだけで足ります。うまいことを言おうとしないでください。

ひとつだけ、やめておいたほうがいいことがあります。「安くします」とは言わないこと。値段で比べられる側に、自分から入っていくことになるので。

まとめ

うまくなる練習の話は、ひとつもしていません。向きを変えただけです。AIではなく、お客さんのほうへ。

動画では、この話を7分ほどで、順を追って話しています。

くわしくはYouTubeで話しています

よかったらみてください

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同じように、ひとりでAIを触っている人が集まっているオープンチャット「おうちAI研究所」もあります。よその人が止まったところを読むだけでも、けっこう役に立ちます。

気になったら、のぞいてみてください

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出典: ITmedia ビジネスオンライン「生成AIの普及だけじゃない 「デザイン業の倒産」が前年同期比166%増になった意外な理由」(2026年9月7日)

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