AIに「〜風」で絵を頼んでいる人へ|実在するマンガ家のサインまで描かれていた話と、頼むとき・使う前にやること(AI初心者向け)

AI活用

8月の終わりに、アメリカで、1コマのマンガがネットで大きく広まりました。その絵には、実在するマンガ家のサインが入っていました。ところが、サインの持ち主は、この絵を描いていません。描いたのは、ChatGPTでした。

ブログの見出しや、インスタの投稿に、AIで作った絵を使っている人は多いと思います。このチャンネルの絵も、AIに描いてもらっています。なので、この記事は他人ごとに思えませんでした。

サインの持ち主は、描いていなかった

記事を出したのは、アメリカのハーバード大学にある、報道について調べている機関です。日本では、10月7日にギガジンが紹介しました。

広まったのは、ザ・ニューヨーカーという、100年以上続くアメリカの雑誌の、マンガそっくりの1枚です。サインは、その雑誌で実際に描いている、ブレンダン・ローパーさんというマンガ家のものでした。

最初に投稿した人は、ChatGPTに「ニューヨーカー風のマンガを」と頼んだだけだったそうです。サインを入れて、とは頼んでいません。ローパーさんのところには、これはあなたの絵ですか、という連絡がいくつも届きました。記者が調べたところ、同じようにサインを使われていたその雑誌のマンガ家は、15人を超えていました。

ローパーさんの言葉を、僕が日本語にすると、こうです。「私の名前は、私の名前です」。

なぜ、頼んでもいない名前が入るのか

記事には、ネット上の絵をAIに学ばせた可能性が書かれています。

ここからは、僕の受け取り方です。世に出ているマンガには、描いた人のサインが、同じ形で入っていることが多いです。だから、AIから見ると、サインも絵柄の一部に見えてしまったのだと思います。人なら、絵の雰囲気と描いた人の名前は別のものだと分かります。でも、AIがそこを分けてくれるとは限りません。

記事には、もう1つ気になることが書いてありました。記者が知らせたあと、ニューヨーカー風に、と頼むと注意の文が出るようになったそうです。ところが、雑誌の名前を出さずに頼んでも、実在するマンガ家のサインが入ることは、記事が出た時点でも続いていました。でたらめな名前のサインもあったそうです。

つまり、頼み方に気をつけても、ゼロにはなりません。

あなたの1枚に置きかえると

顔を出さない発信では、絵が名刺のかわりになります。その絵に知らない人の名前が入っていたら、見た人は、その人が描いた絵だと思うかもしれません。あるいは、あなたが、その人の絵を勝手に使ったように見えます。

別のマンガ家のエミリー・フレークさんは、こう話しています(これも僕の訳です)。「言ってもいないことを、私が言ったことにされたみたい」。

僕の動画の絵にも、頼んでいない文字が入ったことがあります。缶のふたに「住所」の2文字。はかりの目盛りの面に、英語の「NO」。画面の下の端に「18%」。どれも、50枚ほどを小さく並べた一覧では読めませんでした。1枚ずつ広げて見て、やっと気づきました。名前ではありませんでしたが、頼んでいない文字が勝手に入る、という点では同じです。

頼むときと、使う前に、やること

1つめ、頼むとき。 実在する人や雑誌の名前で「だれだれ風」と頼まないでください。かわりに、見た目の特徴を3つだけ言葉にします。たとえば「白黒で、線が少なくて、1コマ」。あるいは「水彩で、やわらかい色で、余白が多め」。

お願い文にすると、こうです。

> 白黒で、線の少ない、1コマのマンガを描いてください。サインは入れないでください。

ただ、記事のとおり、これでもゼロにはなりません。

2つめ、使う前。 できた絵の中から、名前の形をしたものを探します。サイン、看板の店の名前、本の表紙、びんのラベル。どれも、名前が書いてあって自然に見える物なので、絵になじんでいて気づきにくいんです。

見つけたら、自分に1つだけ聞いてください。「これは、誰の名前?」

自分の名前か、自分のお店の名前なら、そのままで大丈夫です。それ以外は、誰の名前か分かっても、その1枚は使いません。

3つめ、使わないと決めた1枚。 名前のところだけを直すと、そこだけ不自然になりやすいので、もう1枚頼むのがおすすめです。僕の動画でも、「住所」と入った缶は、缶を別の物に変えて頼み直しました。

結論

AIの絵は、名前の入っていない絵とは限りません。絵の中に残していい名前は、自分のものと言える名前だけ。覚えておくのは、この1つで足ります。

今日の一歩

次にAIへ絵を頼むとき、「だれだれ風」の一言を、特徴3つに書きかえてみてください。白黒か、色つきか。線は多いか、少ないか。何コマか。それくらいで十分です。書きかえた3つは、メモに残しておくと、次もそのまま使えます。

まとめ

絵柄をまねてもらうことと、人の名前を借りることは、別の話でした。雰囲気は、特徴の言葉で頼めます。でも、名前は、その人だけのものです。

頼むときは特徴を3つ。使う前は「誰の名前?」の一言。それだけで、知らない誰かに、言っていないことを言わせずにすみます。

動画では、記事の中身と、僕の絵に入った文字の話をもう少しくわしく話しています。

YouTubeで説明してます。よかったらみてください。

絵の頼み方は、よその人のお願い文を見ると、ぐっと増えます。LINEのオープンチャット「おうちAI研究所」で、そういう話がよく出ます。気になったら、のぞいてみてください。

おうちAI研究所
おうち起業家育成コーチごとんです。パソコンも苦手な初心者さん大歓迎です。

▼出どころ

  • Nieman Journalism Lab「ChatGPT is adding real cartoonists’ signatures to fake New Yorker cartoons」(2026年10月)
  • GIGAZINE「ChatGPTが生成したマンガに『実在するマンガ家の署名』が含まれているとの指摘」(2026年10月7日)

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