AIに、お客さんへの案内文を作ってもらいました。出てきたものを読んで、うーん、と止まりました。
字はきれいです。間違ってもいません。それなのに、思っていたものと違う。

そこで「もう少しこうしてください」と頼み直すことになります。その往復が、2回で終わらないんですよね。
くり返しているうちに、そもそも何がしたかったのかまで、ぼやけてきます。
この記事では、その往復を短くする話をします。変えるのは、頼み方のたった一言だけです。

違うものが返ってくるのは、渡し方のほうでした
思っていたのと違うものが返ってくると、たいてい、自分を疑います。私の言い方が悪かったのかな。もっと言葉のうまい人なら、一発で出るのかな。
ここ、違うと思うんです。
僕たちは、頼むときに、頭の中にあるものを言葉にして渡しています。でも、頭の中にあるのは、たいてい、まだ絵の手前です。
なんとなく、こういう感じ、まではある。でも、どこを大きくするか、どの順番で並べるかは、決まっていません。

そして、決まっていないところは、AIが埋めます。埋め方は、そのつど変わります。
だから、返ってきたものを見て、はじめて「これじゃない」と分かる。
決まっていないものを、いきなり完成品にさせてしまった。AIは、見えていない部分を、自分で決めるしかありません。

「作って」の前に、たった一言
変えるのは、順番ひとつです。「作って」の前に、こう言ってみてください。
まず、下描きだけ見せてください。中身は、まだ入れなくていいです。形と、並びだけでいいです。
こう頼むと、まだ中身の入っていない、下描きのようなものが返ってきます。
案内文なら、どこに日にちが来て、どこに場所が来て、どこに申し込みが来るか。その並びだけの、すかすかのものです。

見た瞬間に分かります。あ、日にちはもっと上だな、と。そこで言えば、まだ何も壊れていません。
引っ越しの前に、家具の置き場所を紙に書いて動かしてみる、あれと同じです。たんすを部屋に入れてから「やっぱりこっち」と言うと、もう一度運ぶことになります。

まだ絵がなくて、いいんです
正直なところを、ひとつだけ。往復してしまうのは、頼んだ時点では、自分の中にもまだ絵がないからです。
だから、口から出るのは「なんか違う」の一言だけになります。でも、それでいいんです。
白い紙を前にして「どんな形がいいですか」と聞かれると、たいてい手が止まります。でも、誰かが描いたものを見せられると「ここはちょっと」が、すぐ出てきます。

だから、その絵を、先に出してもらいます。自分でも言えなかったことが、絵を見た瞬間に言えるようになります。
決まってから頼みましょう、という話ではありません。むしろ逆です。決まっていないまま頼んでいい。ただ、いきなり完成品を作らせない。そこだけです。
返すときは、3か所だけ見ます
下描きが出てきたら、良いか悪いかは、いったん置いてください。見るところを、3か所に決めておきます。
1つめは、大きさです。いちばん大きく見えているものが、いちばん伝えたいものになっているか。
2つめは、並び順です。上から読んでいったとき、知りたいことが、その順番で出てくるか。
3つめは、色です。色が多すぎないか。

この3つを、そのまま口に出します。
「日にちを、いちばん大きくしてください」「申し込みは、いちばん下ではなく、真ん中に置いてください」。こんな言い方で、じゅうぶんです。
良し悪しを言おうとすると、言葉が出てきません。でも、場所の話にすると、するっと出てきます。
見本は、先に渡してもいいし、描いてもらってもいい
僕は、何かを作ってもらうとき、作りたいものの見本を先に渡すようにしています。「これを超えてください」と言って渡す。そのほうが、話が早いからです。
でも、見本が手元にない日のほうが、多いですよね。そういう日は、その見本を、AIに描いてもらえばいい。

これが、きょうの一言の正体です。見本を、自分で用意しなくてよくなった、という話でもあります。
これはお客さんへの案内でも同じで、全部書き上げてから見てもらうより、「こういう並びで考えています」と先に見せたほうが、あとで作り直さずに済みます。
きょうの一歩
次にAIに何かを頼むとき、「作って」の前に、この一言を1回だけ足してみてください。
まず、下描きだけ見せてください。
出てきたものがぴんと来なければ、その場でもう一度頼めばいいだけです。言えたら、あとは待つだけです。中身は、まだ作らなくていいです。

返ってきたものが思っていたのと違うのは、伝え方の問題ではありません。頼んだ時点で、頭の中にまだ絵がなかった。往復していたのは、その絵を、言葉だけで渡そうとしていたからです。
絵にする仕事のほうを、先にAIに回します。形と並びだけの、すかすかのものを出してもらう。その段階で直せば、作り直しになりません。
返す言葉は、大きさ、並び順、色。この3か所です。
動画では、実際の言い方をそのまま話しています。
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