AIに顔写真を見せて、「この人、信頼できそうですか」と聞いたことはありますか。
答えは、ちゃんと返ってきます。
でも返ってきていたのは、その人の中身の話ではありませんでした。顔の作りの話でした。
きのう見つけた研究の記事から、話を始めます。

顔を2枚ならべて、AIに選ばせた
やったのは、スティーブン・レーアさんという人が中心の研究チームです。
方法は、びっくりするほど単純でした。同じような顔写真を少しだけいじって、2枚ならべます。「有能そうに見える顔」と、「そうは見えない顔」。
それをAIに見せて、聞きます。「どちらが有能そうですか」。
実験は13通り。使ったAIは4つ。全部あわせて、およそ8000回、聞いたそうです。
もしAIが顔で選んでいないなら、答えは半分半分になるはずです。
ところが、よく使われている型のAIは、人が「有能そう」と感じる顔を、87.83パーセントの確率で選びました。10回のうち、9回ちかくです。

人よりも、強く出ていました
同じことを人がやったら、どうなるか。研究チームの計算では、およそ62.65パーセント。
人も、顔で選びます。そこは、もともと分かっていたことでした。
でも、AIのほうが強かったんです。人が6割ちょっとのところで、AIは9割ちかく。
「信頼できそうな顔」を選ばせたときも、72.67パーセント。「賢い」「怠け者」みたいな人がらの言葉でも、能力の言葉で74.63パーセント、信頼の言葉で73.33パーセント。
ちょっと笑ってしまった実験もあります。サルの顔でも、同じことが起きました。人が「優しそう」と評価したサルの写真を、AIは66パーセントの確率で「こっちのほうが信頼できる」と答えています。

重い判断でも、顔で決まっていた
笑えないのは、この次です。
「2枚のうち、重い罪をおかす可能性が高いのはどちらですか」。研究チームがそう聞くと、AIは68.7パーセントの確率で、信頼されにくい顔のほうを選びました。
逆向きに「大学のトップに選ぶなら」「お金を出して応援するなら」と聞いた場合は、75.19パーセントで有能そうな顔のほうでした。
そして、いちばん重かったのがこの数字です。もう1つ新しい型のAIで同じことをやると、偏りは減るどころか上がっていました。能力を答えさせる質問で94.33パーセント。現実の判断に近い質問では、97.04パーセント。
賢くなったら公平になる、とは、ならなかったんです。

断りを2つ
さっき「新しい型」と言ったのは、大手3社の4つの中での話です。どれも最新のAIではなく、今のAIが同じかは分かりません。
もう1つは、研究チーム自身が書いていることです。この実験は決まった条件の中でやったもので、ふだんの使い方でどのくらい起きるかは、これから調べる、と。
だからこの研究を、AIはこわい、という話にはしたくないんです。

足すんじゃなくて、渡すものを1枚減らす
この研究が見せたのは、顔だけを渡したときのAIです。顔しか無ければ、AIは顔で決めます。
文章と一緒に顔を渡したら、どちらを先に見るのか。そこは調べられていません。
それでも、顔だけでここまで動くなら、渡さないで済む顔は渡さないでおく。渡すものを1枚、減らします。
ここから先の3つは、論文には出てきません。数字を読んで、手元用に組んだやり方です。

1つ目 人のことは、写真を外して文字だけ
お手伝いをお願いする人を選ぶとき。お仕事を頼む相手が2人いて、迷っているとき。
写真は貼らない。貼るのは、その人が書いた文章と、やってくれた仕事の中身だけです。
打つ文は、これくらいで足ります。
> この人にお願いするか迷っています。書いてもらった文章を貼ります。気になる点を3つ挙げてください
写真がなければ、顔からは答えられません。

2つ目 「どっちがいい?」ではなく、説明してもらう
プロフィールの写真、どっちにしよう。これ、AIに聞きたくなりますよね。
でも「どっちがいいですか」と聞くと、返ってくるのは顔の点数です。
だから、こう聞きます。
> この写真は、何をしている人に見えますか
選ばせるんじゃなくて、説明してもらう。返ってきた言葉が、自分のやっている仕事と合っているか。そこを見て決めるのは、自分です。

3つ目 「〜そう」には、1回だけ聞き返す
AIは「信頼できそうです」「できる方だと思います」と、平気で返してきます。
そのときに、これを1回だけ。
> どの文からそう思いましたか
文が出てきたら、その答えは中身を見ています。文が出てこなくて言い方が変わるだけなら、顔の話でした。

顔を出さない、という選び方について
顔を出したくない。写真を載せるのが、どうしても怖い。
そう言う人に、僕はずっと「出さなくていいですよ」と言ってきました。今回の研究を読んで、その理由が1つ増えました。
顔は、見た人の判断を動かします。人も、AIも。
だから顔を出さないのは、隠れることじゃないんです。顔で決まる場所に、わざわざ立たない、という選び方です。
相手が何で判断するかまでは、決められません。でも、何を渡すかは、決められます。上の3つと、そこは同じです。

今日の一歩
自分のプロフィール写真を1枚、AIに見せてください。そして、こう打ちます。
> この写真は、何をしている人に見えますか
「いいですね」と言われても、うれしがらなくていいです。見るのは1か所。返ってきた言葉が、自分の仕事と合っているかどうか。
ずれていたら、写真を変える合図です。1分で終わります。

まとめ
顔だけを渡すと、AIは顔の作りで決めます。しかも、人よりも強く。
人が顔で選ぶのがおよそ62.65パーセントのところ、よく使われている型は87.83パーセント。新しい型では、94.33パーセントまで上がっていました。
だから、じょうずな聞き方を足すより先に、渡すものを1枚減らす。人のことを相談するときは、写真を置いていく。
自分の顔を出すか出さないかは、好きに決めていいです。出さないなら、代わりに置くものを1つ決める。それだけで足ります。
動画では、打つ文もそのまま画面に出しています。
YouTubeで説明してます
よかったらみてください
↓
AIの使い方を、おうち仕事のペースで話している場があります
気になったら、のぞいてみてください
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出典: GIGAZINE「AI時代にはこれまで以上に『顔の良さ』が重要になる可能性がある、AIは人間以上に顔の偏見が強いため」(2026年9月29日)/ 一次: PNAS Nexus「Like humans, language models demonstrate face-to-character biases」


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