AIの答えが「誰の意見か分からない」と感じる理由|買った本を、そのままAIの土台にできるようになりました

AI活用

買ったまま、読み返していない本、ありませんか。

表紙は覚えているのに、中に何が書いてあったかは、もう出てこない。

8月27日に、グーグルから、その本の使い道が変わる発表がありました。自分が買った本をAIに読ませて、その本の中だけで答えさせられるようになった、という話です。

この記事は、あなたの本棚の前で終わります。読み終わったときに、手に取る1冊が決まっている。そういう終わり方をめざします。

AIの答えは、誰のものなのか

AIに相談すると、それらしい答えが返ってきます。読むと、正しい。でも、心は動かない。

理由は単純で、いまのAIは、たくさんの人が書いた文章を、名前を外して覚えているからです。だから、答えは出てきても、それを言った人は出てきません。

中身が間違っているわけではありません。でも、その1行の後ろに、書いた人がいない。

ためしに、AIにこう聞き返してみてください。

> いまの答えは、誰の考えに近いですか

そこで名前が出てこないなら、その答えには、もともと名前が付いていません。

私たちが本を買ってきたのは、文章が欲しかったからではないですよね。この人の言うことなら聞いてみよう、と思ったから、お金を出した。そこがずっと、AIとつながっていませんでした。

つながる仕組みが、動きはじめました

グーグルが発表したのは、エキスパート インテリジェンス、という取り組みです。信用できる情報のもとを、AIの側に持ち込めるようにする、という考え方です。

その1本目として、グーグルの電子書籍のお店で買った本を、AIのノートブックに入れられるようになりました。このノートブックは、もとはノートブックエルエムという名前だった道具です。

入れられる本は、10万冊以上。ペンギン・ランダムハウス、マクミラン、オライリーといった、大きな出版社の本が並んでいます。

さらに、15人以上のベストセラー作家と組んで、その人の本を軸にしたノートも用意されました。スティーブン・ピンカー、マイケル・ポーラン、ジェニファー・ウォレス。名前を知らなくても、かまいません。

大事なのは、これからは「誰の本を土台にして答えて」と、名指しできる、ということです。

何ができるのか、3つだけ

1つ目は、本の中身に基づいて答えさせられること。 この本ではこういうときどうしたらいいですか、と聞けば、その本の中から答えが返ってきます。

2つ目は、自分のものと組み合わせられること。 グーグルが出していた例が、分かりやすかったです。冷蔵庫の中を写真に撮って、料理の本と一緒に読ませて、1週間分の献立を作らせる。もう1つは、自分の日記を入れて、体の変化について書かれた本と一緒に読ませる例でした。本のどこに書いてあるかを示しながら、自分の生活の話として返してくれます。

3つ目は、その本から、クイズや、聞くだけのまとめを作れること。 読み返す時間がなくても、耳で戻れる、ということです。

ただし、条件があります。その本を、ちゃんと自分で買っていること。ノートを誰かと共有しても、相手には「自分のぶんを買ってください」と出ます。買わなければ、その本は開けません。

僕は、ここがいちばん健全だと思いました。作った人にお金が回る形のまま、AIに渡せる。

日本にいる私たちは、どこまで来ているか

ここは、正直に言います。

入り口は、もう日本語の画面にも出ています。本を追加するところに「プレイブックス」という項目が並ぶのを、アイティーメディアという媒体が確かめています。

でも、いま入れられる本は、英語のものが中心です。無料で1冊もらえるという案内も、アメリカのアカウント向けでした。だから、きょうから日本語の本で、とは言えません。

グーグルは、この先、検索やAIアプリのほうにも広げると言っています。教科書や、仕事の調査レポートも入れられるようにする、とも書いてありました。

つまり、順番待ちです。

こういうニュースを見たとき、いちばんもったいないのは、来ていないから関係ない、と閉じてしまうことです。順番が回ってきたときに、渡すものが決まっていない人は、結局その日も動けません。

きょう、手を動かせること

3つ置いていきます。どれも、道具がなくてもできます。

1つ目。何度も戻ってくる1冊を、決めてください。

グーグルがこの仕組みを作るときに分かったのは、人は好きな本に何度も戻って、そこに書いてあることを自分の生活に当てはめ続ける、ということでした。その1冊は、たぶんもう、あなたの本棚にあります。付箋が貼ってあるか、かどが折れているはずです。

2つ目。その1冊が、この仕組みの対象かどうかを、確かめてください。

グーグルの電子書籍のお店で、その本のページを開くと、ツールの印があります。押してみて、AIのノートブックの名前が出てくれば、その本は対象です。

いまのところ、印が出るのは英語の本が中心です。それでも一度見ておくと、日本語の本に出た日に、すぐ気づけます。

3つ目。決めた1冊を本棚から出して、机の上に置く。それだけです。

決めただけだと、あしたには忘れます。見えるところにあると、忘れません。

もうひとつ、これは先の話です。今回のニュースは、読む側の話であると同時に、選ばれる側の話でもあります。これから、AIに「この人の言うことで答えて」と名指しされる人が出てきます。いま決めた1冊は、あなたが誰を名指しするか、という答えです。名指しする側に立った人から、名指しされる側の作り方が見えてきます。

まとめ

8月27日、グーグルが、買った電子書籍をAIのノートブックに入れられるようにしました。10万冊以上が対象です。

これまでAIは、誰のものか分からない知識を混ぜて答えていました。これからは、誰の本を土台にするか、名指しできます。

日本ではまだ、英語の本が中心です。順番待ちです。

だからきょうやることは、本を買い足すことではありません。自分が何度も戻る1冊を決めて、その本を机の上に出しておく。それだけです。

これは、新しい知識を足す話ではありません。誰の本で聞くかを、先に決めておく話です。

僕はこう思うけど、あなたはどう思う。

あなたが何度も戻ってくる1冊は、なんですか。

動画では、画面と声でもう少しゆっくり説明しています。

YouTubeで説明してます

よかったらみてください

出典

  • ITmedia NEWS「Google、『Gemini Notebook』に購入済み電子書籍を追加できる『Expert Intelligence』」(2026年8月28日) https://www.itmedia.co.jp/news/article/2608/28/2000000893/
  • Google公式ブログ「Expert Intelligence: a new way for you to engage with trusted content」(2026年8月27日/Steven Johnson・Will Houghteling) https://blog.google/innovation-and-ai/products/gemini-notebook/expert-intelligence-leading-sources/
  • GIGAZINE「購入した電子書籍をGeminiに読ませて質問できる『Expert Intelligence』が登場、10万冊超に対応」(2026年8月28日) https://gigazine.net/news/20260828-expert-intelligence-gemini/

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