AIが出した数字、そのまま書いていませんか|あした同じことを聞くと、半分は違う数字でした

AI活用

AIに聞いた数字を、そのまま投稿やチラシに書いたこと、ありませんか。

きのう出たニュースに、その数字がどれくらい当てにならないか、はじめて具体的な数で出ていました。ただ、驚いたのは、合っているか間違っているか、ではありません。同じAIに、同じことを日を変えてもう一度聞いたら、返ってくる数字が変わっていた、という話です。

国連とグーグルが「数字の置き場所」を公開しました

2026年9月17日、国連の機関とグーグルが、新しい仕組みを公開しました(Google公式ブログ/TechCrunch 2026年9月17日)。世界の統計を1か所に集めて、AIが読めるようにした「数字の置き場所」です。

26の国連機関が参加を決めていて、公開の時点では20近くの機関ぶんの数字が使えます。2027年までに、国連の統計データの80パーセントをここに載せる、という目標も出ています。

ここまでは、遠い国の話に聞こえますよね。でも、どうしてこれを作ることになったのか。その理由のほうが、僕たちの手元の話でした。

AIに数字を聞くと、どうなったか

子どもの支援をしている国連の機関に、ユニセフがあります。そのユニセフが、よく使われているAIを6つ選んで、世界の数字を聞く調べをしました。

集めた答えは、13万3000件を超えます。その平均の正確さが、21.2パーセントだったと報告されています。100点満点のテストで、平均21点。そういう見え方です。

もう1つ。答えのおよそ5回に3回は、そもそも使える数字が出てきませんでした。はっきり答えずに、言葉を濁すことが多かったそうです。

先に正直なところを書いておきます。この調べは、学会誌に出す前の途中の報告で、ほかの研究者の確認はまだ受けていません。それから、いまの2つの数は数え方がちがうので、足したり引いたりして内訳にはできません。

気をつけたいのは、間違いよりブレ

僕がいちばんうなったのは、ここでした。

同じ質問を、同じAIに、およそ2日後にもう一度。どちらの回も数字で答えたもののうち、同じ数字が返ってきたのは、およそ半分でした。半分は、ちがう数字になっていた、ということです。

大きく外れていれば、まだ気づけます。でも、ブレには気づけません。私たちは、たいてい一度しか聞かないからです。一度だけ見た数字は、正しそうに見えます。もう1つの答えを、見ていないからです。

顔を出さない発信では、数字1つが効く

顔を出さずに、文字と声だけで発信していると、信用のつくられ方が変わります。目の前の人柄で、なんとなく伝わる、ということが起きません。

読む人が見ているのは、書いてあることが合っているかどうか。ほとんど、ここだけです。だから、数字が1つずれるだけで、まわりの文まで軽くなってしまいます。逆に言うと、数字を1つ丁寧に扱うだけで、ほかの文までしっかりして見えます。

数字を書く前の、もう一度(手順3つ)

特別な道具は出てきません。ふだんの画面のまま、終わります。

  • 手順1: 数字を入れるつもりの文を決めます(インスタの投稿、配るチラシ、プロフィールの1行など)
  • 手順2: その数字をAIに聞いて書くつもりなら、日を変えて、もう一度、同じ言い方で聞きます。聞き方を変えると、答えが変わったのか、聞き方のせいなのかが分からなくなります
  • 手順3: あしたの答えから数字だけを抜き出して、きのうの数字とひと文字ずつ照らします。1文字でもちがっていたら、その数字は書きません

もう1つだけ足します。同じ数字が出たときでも、その数字が載っているページを自分でひらいて確かめられないなら、書かないでおきます。AIは数字は出せますが、ひらいて確かめられるページまでは用意できないことがあるからです。

なお、これは研究のやり直しではありません。さっきの調べがやっていたことを、一度だけ自分の手でなぞる、というだけの話です。

書かないと決めたら、どうするか

数字を消すと、文がさびしくなる気がしますよね。そういうときは、自分が見たことに置きかえます。

たとえば「多くの方が悩んでいます」と書く代わりに、「先月お話しした方のうち、3人が同じところで止まっていました」と書きます。世の中の数字より、あなたが見たことのほうが、読む人には近い話になります。しかも、こちらは出どころが自分なので、確かめに行く必要がありません。

ニュースの打ち手も、同じでした

最後に、国連とグーグルの話に戻ります。

数字が当てにならないと分かったとき、まず作られたのは、AIのほうではありませんでした。どこから来た数字か分かる、置き場所のほうでした。

これは、僕たちにもそのまま使えます。投稿に数字を書くときは、その1行の後ろに、どこで見た数字かを短くそえる。「去年の国の調査で」でもいいし、「うちの教室で」でもいいんです。そえてあるだけで、読む人の受け取り方が変わります。

今日の一歩

きょうは、手順2だけで十分です。

いま気になっている数字を1つ、AIに聞いてみてください。そして、あしたの朝、同じ言い方でもう一度。同じか、ちがうか。見るのは、そこだけです。

数字のところだけ、一度ぶん手間をかける。それで、あなたの言葉は、ずっと丈夫になります。

動画では、この手順を画面の流れに沿って話しています。

YouTubeで説明してます

よかったらみてください

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▼出典

  • Making global data easier to explore(Google公式ブログ 2026年9月17日)https://blog.google/innovation-and-ai/technology/ai/google-un-data-commons-platform/
  • UN turns to Google to make its global data ready for AI agents(TechCrunch 2026年9月17日)https://techcrunch.com/2026/09/17/un-turns-to-google-to-make-its-global-data-ready-for-ai-agents/

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