AIに相談しても値段が決められない人へ|総理が官邸でやっていた「頼み方」を真似してみる

AI活用

値段を決めたいのに、何日も決まらない。AIに相談はした。でも返ってきたのは「相場を調べて、価値に見合った価格を」みたいな話で、読んだあとも、結局そのまま先送り。

そういう経験、ありませんか。僕は、あります。

AIに聞いても決まらないのは、あなたのせいじゃない

AIに「値上げしたほうがいいですか」と聞くと、たいていこう返ってきます。

価値を伝えましょう。お客様の声を集めましょう。

まちがってはいません。でも、決まらない。

なぜかというと、AIはあなたの数字を1つも知らないからです。1回いくらでやっているのか。月に何件あるのか。1件に何時間かかっているのか。手元にいくら残っているのか。

そこを知らない相手に「どうしたらいい」と聞けば、返ってくるのは一般論です。当たり前なんですよね。

相手は、あなたの手元を一度も見ていません。見ていない人に、いい答えは出せません。

総理が官邸で頼んだのは、答えではありませんでした

2026年8月28日の夕方、総理官邸でちょっと変わったことが行われました。高市総理が、AIの使い方を教わっていたんです。教えたのは、チームみらいの安野貴博党首と小林修平衆議院議員。政府側からは木原稔官房長官も同席しています。

そこで総理が声で頼んだのは、これでした。

> 政府が2026年に実施した物価高対策について、家庭ごとの個別の状況を入力して、どれくらいの金額効果があるかを試算できるようなツールを作ってください。

ここ、大事だと思っています。

「物価高対策はどうすべきか」とは聞いていません。「条件を入れたら、金額が出るものを作ってください」と頼んでいます。

答えではなく、動かせるものを頼んだ。

できあがるまで、およそ1分。特別な設定は何もしていません。使ったのは、みなさんも触れるChatGPTです。名前は「物価高対策シミュレーター」。むずかしそうですが、中身は、条件を入れたら金額が出る小さな道具です。

総理はそのあと「1カ月前に、こういう数字が欲しかった」と言ったそうです。欲しかったのは意見ではなく、自分の条件で出てきた数字でした。

そのまま真似できる、頼み方の1文

やり方を、そのまま置いておきます。AIの入力欄に、これを打ちこんでください。

> 私の仕事は、自宅でやっている個人レッスンです。値段を決めたいので、条件を入れたら手取りが出る、小さな計算表を作ってください。条件は、1回の値段、月の件数、1件にかかる時間、月の経費の4つです。

「自宅でやっている個人レッスン」のところは、あなたの仕事に置きかえてください。パン教室でも、片づけの代行でも、同じです。

打ちこむのが面倒なら、入力欄のとなりにあるマイクのしるしを押して、いま読んだ文をそのまま喋ってもかまいません。

しばらくすると、数字を入れる欄がついた表が出てきます。出てきたら、いじってみてください。1回の値段だけ、思いきって1.5倍にしてみる。件数が減っても手取りが増えるのか、そこで初めて、目で見えます。

出てきたものを、そのまま使わない

もうひとつ、総理がやっていたことがあります。

出てきた画面を見て「重点支援地方交付金が入っていない」と指摘し、それを足すように頼み直したんです。

僕は、ここがいちばん人間の仕事だと思っています。

AIは、世の中にある話は知っています。でも、あなたの仕事の抜けは知りません。振込の手数料。材料の送料。当日キャンセルの1件。

出てきた表を見て「うちはこれが抜けてる」と1つだけ足す。それだけで、その表はあなた専用のものになります。抜けを見つけられるのは、毎日やっているあなただけです。

きょうの一歩

いま、決めかねていることを1つ思い浮かべてください。値段でも、募集の人数でも、月に何日働くかでも、なんでもいいです。

そのうえで、AIにこう頼んでみてください。

> この件を、条件を入れたら数字が出る小さな表にしてください。

きょうは、そこまでで大丈夫です。数字を入れるのは、あしたでかまいません。

道具はAIに作らせて、そこに入れる数字と、抜けの1つは自分が持つ。この分け方なら、迷っている時間が、そのまま材料になります。

僕はこう思うけど、あなたはどう思う。

動画でも話しています

同じ話を、動画でもう少しゆっくり話しています。

YouTubeで説明してます

よかったらみてください

▼チャプター

0:00 値段が決められないまま、何日も過ぎていませんか

0:13 8月28日の夕方、総理官邸で

0:30 きょう持って帰ってほしいのは3つ

0:51 「値上げしたほうがいいですか」と聞くと

1:13 知らない相手に聞けば、返ってくるのは一般論

1:31 総理が声で頼んだ、その全文

1:50 答えではなく、動かせるものを頼んだ

2:09 総理の「こういう数字が欲しかった」

2:24 そのまま打ちこめる頼み方

2:52 打ちこむのが面倒なら、マイクのしるしを押す

3:02 1回の値段だけ、1.5倍にしてみる

3:23 ここがいちばん人間の仕事

3:47 答えを出す相手にすると、一般論しか返ってこない

4:01 今日の一歩:決めかねていることを1つ

4:22 まとめ

4:45 僕はこう思うけど、あなたはどう思う

決めかねていることを持ち寄る場所も用意しています。気になったら、のぞいてみてください

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参考にした報道:ITmedia NEWS「チームみらい安野氏『高市総理へのAI家庭教師』を実施 総理が音声入力で作成したのは……」(2026年8月28日)/Impress Watch「高市総理、AI家庭教師で『物価高対策シミュレーター』を作る」(2026年8月28日)

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