AIに書かせると「なんか私っぽくない」になる理由|1000人の実験でわかった、足りなかった1行

AI活用

AIに書いてもらった文章を読み返して、「うまいけど、なんか私っぽくないな」と思ったこと、ありませんか。

そのあと、じゃあ自分で考えなきゃ、と思って、結局その日は何も出せなかった。

そこで止まっている人が、けっこういます。

きのう、その不安にはっきり線を引いてくれる実験の結果が出ました。1000人を超える学生を、4つに分けて比べたものです。

1000人の学生を、4つのグループに分けて比べた

やったのは、イタリアのボッコーニ大学の研究者と、オープンAIの研究チームです。対象は、その大学の1年生。1000人を超えます。

学生を、授業のコマごとに、機械的に4つのグループに分けました。

① AIを使えるグループ

② AIとは関係のない「考える練習」をしたグループ

③ その両方をやったグループ

④ どちらもなしのグループ

出された宿題は、作り話ではありません。その大学のグッズを売っているお店を、どうやったらもっと売れるようにできるか。その提案を出す、という課題でした。

答えは、訓練を受けた採点者が、5点満点で採点しています。

AIを使った組は、5点満点でほぼ1点ぶん高かった

結果はこうです。AIを使えたグループは、5点満点で、ほぼ1点ぶん高い点数でした。

5点満点で1点は、僕には大きく感じます。

しかも点が上がっただけではなくて、中身も変わっていました。アイデアの数が多かった。話の筋が、より通っていた。そして、その道の専門家が書いた提案に、より近かった。

ここまでは、たぶん想像どおりだと思います。AIを使うと、出てくるものは良くなる。それが、1000人以上の数字で出た、ということです。

でも、増えなかったものがひとつあります

同じ実験で、もうひとつ測っていたものがあります。

「その人にしか出てこない案」が、いくつあったか。研究チームは、これをユニークなアイデアと呼んでいます。めずらしい案、よそとかぶらない案、ということです。

これは、AIを使ったグループでは、増えませんでした。

増やしたのは、別のグループでした。AIとは関係のない、考える練習をしたほうです。

その練習の中身が、また地味なんです。ゲームをして、例を見て、質問に答えて、それに返事をもらう。たったこれだけ。AIは1回も出てきません。

やっていたのは、「なぜ、それが効くのか」を説明する練習でした。

そして、AIも使い、その練習もやったグループでは、両方が起きました。点も上がって、案の幅も広がった。どっちを取るかの話じゃなかった、ということです。

こわがるところが、違いました

AIを使うと、自分で考えなくなるんじゃないか。少なくともこの実験では、そうはなっていませんでした。

ただし、正直に言っておきたいことがあります。これは、大学1年生が、1回の課題でやった結果です。だから「AIを使えば頭が良くなる」とか「AIを使っても何も失わない」とか、そこまでは言えません。

僕がいちばん腑に落ちたのは、そこじゃないんです。

AIが上げてくれた場所と、AIが上げてくれなかった場所が、きれいに分かれたことでした。

AIが上げてくれたのは、答えの質です。読みやすさ、筋の通り方、抜けの少なさ。ここはもう、任せていいと思います。

上げてくれなかったのは、あなたにしかない案でした。これは、置いておくと減ります。使わない道具が、引き出しの奥でさびるのと同じです。

やり方は、AIの返事に1行だけ足すだけ

実験と同じことはできませんが、あの練習のヒントを、ひとりでできる形にしてみました。僕なりのやり方です。

まず、いつもどおりAIにお願いします。「インスタの投稿文を3つ考えて」でいいです。

3つ返ってきますよね。つぎに、その中から、いちばんマシなものを1つだけ選びます。ここまでは、たぶんいつもやっていることです。

問題は、そのあとです。いつもは、そのままコピーして貼りますよね。

そこで手を止めて、こう打ってください。

「これが効くと私が思う理由は、こうです」

そのあとに、自分の言葉で、1行だけ書く。

「私のお客さんは、夜9時に子どもを寝かせたあとにスマホを見るから、この時間の呼びかけが効くと思う」

これでいいんです。うまい言葉じゃなくていい。

そして最後に、その1行をAIに渡して、こう言います。

「この理由に合うように、さっきの投稿文を書き直して」

これで、返ってくるものが変わります。上手さはAIが持っていて、理由はあなたが持っている。その2つが、ここで合流するからです。

顔を出さない発信ほど、この1行が効きます

顔が出ないと、見た目でも、身ぶりでも、あなたを伝えられません。伝わるのは、文字と声だけです。

その文字が、AIの標準語のままだと、誰が書いても同じものになります。

でも、さっきの1行が入っていると、変わります。「夜9時に子どもを寝かせたあと」を知っている人が書いた、と分かるからです。

これは、AIには書けません。持っていないからです。

顔を出さない発信で足りないのは、機材でも、話し方でもなくて、この1行だと僕は思っています。

今日の一歩

今日は、AIに1回だけお願いをしてください。何でもいいです。

返ってきたものから1つ選んで、「これが効くと私が思う理由は」のあとを、1行だけ書いて送り返す。それを渡して、書き直してもらう。ここまでで、たぶん3分です。

うまく書こうとしないでください。理由が言えていれば、それで足りています。

AIは、答えの質を上げてくれる。あなたにしかない案は、あなたが増やす。この2つは、別の場所にあります。だから、両方やっていいんです。

動画では、実験の中身と手順を、順番に話しています。

くわしくはこちらで話しています

よかったらみてください

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気になったら、のぞいてみてください

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